邦楽の名盤ランキング TOP10【海外で評価されている日本のアルバム】

海外で活躍している日本のアーティストというと、Perfume や BABYMETAL、坂本龍一や布袋寅泰などを連想するかもしれません。しかし、英語圏のユーザが作った名盤ランキングのポイントを集計している「Best Ever Albums」の評価は一味違います。コアな音楽ファンから本当に高く評価されている日本のアーティストの名盤はいったい、どのような顔ぶれになるのでしょうか。トップ10をご紹介いたします。

10位:『FANTASMA』Cornelius

1997年に発表された、コーネリアスこと小山田圭吾のアルバムです。小沢健二らと結成したフリッパーズ・ギターで人気を博した後にソロ活動を開始し、最近では教育テレビの番組「デザインあ」の音楽の担当も行っています。Beck や Blur、The Flaming Lips などの世界的人気アーティストとの活動や、オノ・ヨーコ、ショーン・レノンとのバンド活動(プラスティック・オノ・バンド)などで海外でも知名度があり、その独創的な音選びが高い人気を得ているようです。

9位:『Flood』Boris

2000年発表。Boris は、多様な音楽を採り入れ、ヘヴィな音楽を追及しているロック・バンドです。アメリカのレーベルから作品をリリースし、海外でも積極的にツアーを行っているため世界的な高評価を得ているようです。インダストリアル・ロックの大御所ナイン・インチ・ネイルズの全米ツアーのサポートを行ったこともあるそう。Amazon.co.jp より Amazon.com の方がレビューも多数付いていることから日本より海外の方が注目されているようです。

8位:『Hymn To The Immortal Wind』Mono

2009年発表。初期から海外で活動を開始したインストゥルメンタル・ロック・バンド MONO の6作目。映画音楽も担当したりしており、現代的で壮大な音世界に感情を乗せることに長けているようです。このバンドも、日本より海外の方が高い人気を得ているようです。

7位:『Pop Tatari』ボアダムス(Boredoms)

1992年に発表された前衛的なロック・バンドであるボアダムスのメジャーデビュー・アルバム。ボアダムスは、Wikipedia も英語版の方が詳しいほど、日本と世界とで知名度に差があるバンドです。型にはまらないにも程があるぶっ飛んだアーティストである EYE(山塚 アイ)を中心とするバンドで、日本のメジャー・シーンでは到底受け入れられないコアな音楽を制作しています。しかしながら、アメリカではニルヴァーナやソニック・ユースとともにツアーを行うほどの高い評価を得ています。アメリカの人気バンドであるフレーミング・リップスの名盤『Yoshimi Battles the Pink Robots』(オールタイム名盤ランキングで 86 位にランクインしています)と、同名のタイトル曲に含まれる「Yoshimi」はボアダムスの女性ドラマーのことであり、このことでも世界的注目を浴びることになりました。マイク・パットンの Mr.Bungle などが好きな方には、おすすめできます(限定的)。

6位:『98.12.28 男達の別れ』フィッシュマンズ(Fishmans)

1999年に発表された2枚組のライブアルバムです。ドリーム・ポップなどと形容される独特の音世界で日本でも一部で熱狂的な人気を得ているフィッシュマンズ。ライブ・アルバムが高い評価を受けることは珍しいので、よほど凄いライブだったのでしょう。

5位:『風街ろまん』はっぴいえんど

1971年発表。日本のロックを代表するこのアルバムは、ソフィア・コッポラ監督の映画「ロスト・イン・トランスレーション」(2003年)で「風をあつめて」が採用されたことから世界的にも注目され、高い評価を得ています。それにしても、大瀧詠一、細野晴臣などものすごいメンバーです。完成度が高く、50年近く経った今聴いても新鮮に感じるほどカッコいい音が凝縮されているロック・アルバムだと思います。日本ではセルフタイトルのファースト・アルバム『はっぴいえんど』も同じくらい人気です。

4位:『Hurtbreak Wonderland』ワールズ・エンド・ガールフレンド(World’s End Girlfriend)

2007年発表。前田勝彦によるワールズ・エンド・ガールフレンド(WEG)はジャンルにとらわれない音楽で Aphex Twin とも比較されることが多く、圧倒的な世界観を表現しています。映画音楽でも積極的に活動を行い、国内外で高い評価を得ています。8位にランクインした Mono とのコラボレーションも行っています。

3位:『Modal Soul』Nujabes

2005年発表。Nujabes(ヌジャベス、瀬場 潤)は、日本が誇るべきヒップホップ・アーティストです。コムデギャルソンのパリのファッションショーでミュージック・ディレクターを務めたこともあり、世界的に高い評価を受けています。残念ながら 2010 年に 36 才という若さで交通事故により他界してしまいましたが、これほど洗練され落ち着いたヒップホップ・ミュージックを提供する日本人がいたとは驚きです。洋楽として紹介されても違和感はありませんが、どことなく日本らしさも感じられる気がします。

2位:『Long Season』フィッシュマンズ

前出のフィッシュマンズによる、1996年発表の1曲しかないという前代未聞のアルバム。ポリドール・レコードから発売され、世田谷 3 部作の 1 つとして日本でも高い評価を受けています。日本では名曲「ナイトクルージング」を含むアルバム『空中キャンプ』の方が人気が高い(SNOOZER が選ぶ日本のロック/ポップアルバムで 3 位に挙げられています)ようですが、海外では本作が高く評価されています。

1位:『Vision Creation Newsun』ボアダムス(Boredoms)

7位で前出のボアダムスによる、1999年(米国では2000年)発表のアルバム。サイケデリックで前衛的な音楽ではありますが、ボアダムスにしては聴きやすい作品です。最初はピンと来ませんでしたが、大音量で音の洪水に飲み込まれるようにして聴くと何だか気持ちよくなってくるという不思議な作品です。光に包まれた宇宙のような、新たな境地が開けてくるような感覚がクセになります。アメリカの音楽メディア「ピッチフォーク」は、2000 年代 (2000-2010)の TOP 200 アルバムをランク付けする特集において、この作品を 39 位に選出しています(参照)。

意外なことに、これが日本のアーティストで最も高く評価されている作品という結果になっていました。ちなみに、世界の名盤ランキングでは 946 位です。この順位は高く感じないかもしれませんが、英語圏の音楽好きが名盤として挙げた2万7千枚を超えるアルバムの中での順位であり、世界の名立たる人気バンドの名盤に引けをとらない人気です。日本らしさはあるのかないのかわかりませんが、枠にはまらない新しい音楽体験をしてみたくなったら、ぜひ聴いてみることをお勧めします。


以上、いかがでしたでしょうか。世界で評価されている日本のアーティストはボーカルが少ないものが多く、コアな音楽ファン以外にあまり知られていないアーティストが多かったのではないでしょうか。50 年近く前に日本語でロックしているのに評価されている「はっぴいえんど」はすごいと思います。

ここに挙げた作品はどれも、洋楽を中心に聴いている方でも驚くような素晴らしい作品だと思います。聴く人を選ぶ作品もありますが、個人的に幅広くお勧めできると思ったのは Nujabes の『Modal Soul』です。気になった方は是非視聴してみてください。

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