ティム・バックリィの評価の高い名盤ランキング TOP 3

ティム・バックリィ(Tim Buckley、1947-1975)というアーティストをご存知でしょうか。張りのある表情豊かな歌声は唯一無二の存在で、私が一番好きなボーカリストです。名盤ランキング 42 位にランクインしている息子ジェフ・バックリィ(Jeff Buckley)の方が有名ですが、父も根強い人気を誇る名盤を多数残しています。ジェフはオリジナル・アルバムが 1 枚(『Grace』)しかなく、神懸っている代表曲「Hallelujah」(以下の動画)があるためとっつきやすいのですが、ティムは多作でしかも好きな作品が分かれるため、とっつきにくい印象があります。そこで、ここでは、名盤として評価の高い 3 作品に加え、個人的にイチオシの名盤を紹介したいと思います。

(最も偉大なカバーソングとしてよく挙げられるこの曲は、エド・シーランなどさまざまなアーティストによって再カバーされています)

 

アルバムの紹介に入る前に、ティム・バックリィの代表曲をいくつか紹介します。曲名で検索すれば聴けるものもあります。

「Song to the Siren」

活動中はそれほど売れなかったティムですが、ディス・モータル・コイルが1984年にこの曲をカバーしたことで再評価を受けることになりました。最近では、元レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテもカバーしています。YouTube の再生回数が最も多いのもこの曲ですが、このレベルの曲はたくさんあると思っています。

「Sing a Song for You」

これは、レディオヘッドのトム・ヨークが時々カバーしている名曲です。

それでは、本題の名盤ランキングに入りたいと思います。

3位:『Happy Sad(ハッピー・サッド)』

1969 年発表の 3 作目です。ビルボードで最大 81 位と、ティムの作品中で最もヒットしたアルバムです。ティム・バックリィの作品は、デビュー時はポップなフォーク・ロックから始まるのですが、作品を出すたびにエキセントリックな方向に進み、深みを増していく傾向にあります。そのため、デビュー・アルバムは聴きやすいけど完成度が低く、5 作目、6 作目となると何だか凄いんだけど怪しげで聴く人を選ぶというものになっています。この作品はこのバランスがちょうど良く、10 分を超える曲が 2 つもあるものの、高い完成度と深い音楽性の両方を味わうことができます。ジャズ風の演奏も素晴らしく、暗いけど美しく儚い曲から元気な(?)曲まで多彩な楽曲があり、音楽通の方向けの入門作として適していると思います。前出の「Sing A Song For You」もこのアルバムに収録されています。

2位:『Starsailor(スターセイラー)』

1970 年発表の 6 作目です。前出の代表曲「Song To The Siren」が含まれているものの、アルバム全体は非常に実験的な内容となっており、最初に聴くべき代物ではありません。正直、引くと思います。しかしながら、5 作目の『Lorca』とともに根強い人気を誇る名盤でもあります。個人的には、ところどころ好きなポイントはあるのですが、疲れるので気軽に聴こうと思えるものではありません。

1位:『Goodbye and Hello(グッバイ・アンド・ハロー)』

1967 年発表の 2 作目です。最初の作品と比べて楽曲が洗練され、聴きやすい音楽でティムの稀有な歌声に聴き入ることができます。オリジナル・アルバムから名盤を 1 枚選べと言われればこれになるでしょうし、万人向けの入門作としてもお勧めできます。

しかしながら、残念なことにサウンドが時代を感じさせるものになっていて、ティムの声もクリアに聴こえません。そこで強くお勧めするのが、次のライブ・アルバムです。

番外編:『Live at the Folklore Center NYC March 6 1967』

2 作目までの楽曲が収録されたライブ・アルバムなのですが、アコースティック・ギター一本で弾き語りをするという形をとっており、古さを感じることなくシンプルに楽曲の良さを味わうことができます。演奏の完成度も高く、また何と言っても一番の魅力であるティムの歌声が生々しくクリアに聴こえてきます。暗い曲が少ないこともあり、入門向けとしても非常におすすめです。Amazon プライム会員は無料でストリーミングすることもできます。

今のところ YouTube でも全曲聴くことができます。

ちなみに、初期から 5 作目の『Lorca』までのオリジナル・アルバムについてはボックスセットが販売されています。昔は入手困難だったのに、今はこんなに安く手に入るとは。。