これまでに発表された全アルバムのうち、現時点で世界的に最も評価されている名盤とは? 海外サイト*で音楽誌やリスナーにより名盤として挙げられたポイントが最も高かった女性ボーカルのアルバムの上位 10 作品をご紹介します。売上や人気の高さ、歌唱力や知名度とは別なので、一味違ったランキングとなっています。
第1位:『Dummy(ダミー) 』Portishead(ポーティスヘッド)
1994 年発表(オールタイムランキング 76 位)。陰鬱ながら美しい、トリップ・ポップを代表する名盤。ボーカルだけでなくサウンド全体が高く評価されていると思います。
第2位:『Hounds Of Love(愛のかたち) 』Kate Bush(ケイト・ブッシュ)
1985 年発表(オールタイムランキング 81 位)の 5 作目。独自の世界観を表現するアーティストとして大きな影響を与えてきたケイト・ブッシュの集大成的な名盤。
第3位:『Blue』Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)
1971 年発表(オールタイムランキング 85 位)の 4 作目。カナダを代表するシンガーソングライターによる名盤。
第4位:『Homogenic(ホモジェニック) 』Björk(ビョーク)
1997 年発表(オールタイムランキング 141 位)の 3 作目。アイスランド出身で独特の世界観を持っている芸術家であり、多数ランクインしています。
第5位:『Jagged Little Pill(ジャグド・リトル・ピル) 』Alanis Morissette(アラニス・モリセット)
1995 年発表(オールタイムランキング 284 位)。大ヒットしたカナダのロック歌手。レッチリのメンバーも多数参加しています。
第6位:『Vespertine(ヴェスパタイン) 』Björk(ビョーク)
2001 年発表(オールタイムランキング 317 位)の 4 作目 。
第7位:『Post(ポスト) 』Björk(ビョーク)
1995 年発表(オールタイムランキング 331 位)の 2 作目。
第8位:『The Dreaming(ドリーミング) 』Kate Bush(ケイト・ブッシュ)
1982 年発表(オールタイムランキング 352 位)の 4 作目。多重録音が行われ、自身でプロデュースされた作品です。
第9位:『Debut(デビュー) 』Björk(ビョーク)
1993 年発表(オールタイムランキング 355 位)の 1 作目。
第10位:『Third(サード) 』Portishead(ポーティスヘッド)
2008 年発表(オールタイムランキング 396 位)。
第11位:『The Miseducation of Lauryn Hill(ミスエデュケーション) 』Lauryn Hill(ローリン・ヒル)
1998 年発表(オールタイムランキング 431 位)。大ヒットしたソロデビュー作。
第12位:『Ray Of Light(レイ・オブ・ライト) 』Madonna(マドンナ)
1998 年発表(オールタイムランキング 489 位)。80 年代にすでに大ヒットしていたマドンナが出産後に制作した芸術的な名盤。
第13位:『21 』Adele(アデル)
2011 年発表(オールタイムランキング 509 位)。イギリスを代表する女性シンガー。TOP 10 の中で一番新しい作品で、リック・ルービンが一部プロデュースを行っています。
第14位:『Live Through This(リブ・スルー・ディス) 』Hole(ホール)
1994 年発表(オールタイムランキング 573 位)。ニルヴァーナのカート・コバーンの妻として語られることが多いコートニー・ラブですが、作品も実は高く評価されています。カートがバック・ボーカルとして参加している曲もあります。
トップ 14 は以上です。以降は、ブリーダーズ(ピクシーズのキムのバンド)、ノラ・ジョーンズ、レディー・ガガ、ビヨンセ、ジャネット・ジャクソン、マライア・キャリー、テイラー・スイフト、ホイットニー・ヒューストンと続きます(漏れもあると思います)。流行の音楽は時が経つと古く感じられるため、このランキングでは高く評価されていません。真にオリジナリティにあふれる完成度の高い作品が、時代を超えて愛聴される名盤として評価されている印象です。売れている女性アーティストは多数いるのに、オールタイム名盤ランキングの上位に女性アーティストが少ないのは興味深い現象です。
ちなみに、このランキングでは女性がメインボーカルを務める作品に限定しましたが、女性ボーカルが参加している作品にまで対象を広げると、アーケイド・ファイア、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ、ピクシーズなどがより上位に入ります。